東京高等裁判所 昭和37年(行ナ)104号 判決
原告は、本訴をもつて再審の訴訟というが、審決に対する再審の請求であれば特許庁に対して申し立てなければならないのに、本訴は裁判所に対して審決の不服を申し立てるものであるから、旧特許法第一二八条ノ二にもとづき、審決の取消を求めるものであると解するのが相当である。
そこで、職権をもつて本訴の適法要件について考えるのに、旧特許法第一二八条ノ二第二項によれば、本訴のような審決の取消を求める訴は、審決の謄本の送達があつた日から三〇日を経過した後は提起することができないことが明らかである。しかるに特許庁から当裁判所に送付された本件各抗告審判記録によると、昭和三二年抗告審判第七六二号事件の審決謄本は昭和三七年一月一八日に、昭和三七年抗告審判第二一四号事件の審決謄本は同年六月一〇日に原告に送達された事実を認めることができる。そして、本件訴状は昭和三七年七月一二日午後五時二〇分当裁判所に到達したことは、本件訴状およびその封筒に押された当裁判所当直受付の印に徴して明白である。
してみれば、本訴は、右各審決のいずれの取消を求めるにせよ、前記出訴期間を徒過して提起された不適法のものといわなくてはならない。(訴の提起は、単に訴状を発送するだけではその効果を生ぜず、訴状が裁判所に到達して、はじめて訴の提起の効果があることは、いうまでもない。)
本訴は不適法であり、そしてその欠缺は補正することができないものと認められるので、これを却下すべきものとする。